60代男性の承認欲求がしんどい…上手に切り抜ける5つのヒント

承認欲求多めの60歳男性が20代女性にお菓子を配る セクハラ
承認欲求多めの60歳男性が20代女性にお菓子を配る

はじめに


以前の職場でのことだ。

65歳の男性がいた。役職はもうなかったけれど、存在感だけは誰よりも主張していた。若い女性社員に近づいては冗談を言い、笑いを取ろうとし、お菓子を配り、やたらと距離を詰めてくる。本人は「場を和ませているつもり」なのだろう。でも見ていた私は、正直、不快だった。ヤキモチなどではない。じわじわと募る違和感。そしてある瞬間、これはセクハラではないか、とはっきり感じた。

さらに言えば、時にストーカーに近いものさえ感じた。休日にまで関わろうとしていたからだ。承認欲求が形を変え、セクハラになり、さらには相手の時間やプライベートにまで踏み込んでいく。そういうことが、職場では確かに起きる。


なぜ不快に感じるのか、自分でも少し考えた。

「認められたい」という気持ちそのものは、誰にでもある。でも、それが若い女性に向けられたとき、どこか非対称な重さが生まれる。求める側は無自覚でも、求められる側には「応えなければ」というプレッシャーが静かにのしかかる。愛想よくしてくれるのは、あなたのことが好きだからではなく、その場をうまく収めようとしているだけかもしれない。それなのに、その優しさにどんどん甘えていく。

それが疲れるのだ。そして、時に傷つける。

愛想よく笑って受け流しているうちに、気づかないうちに自分の中で何かが削れていく。「嫌だ」と感じているのに、それを口に出せない。角を立てたくない、大人げないと思われたくない、職場の空気を壊したくない――そういった気遣いが積み重なって、やがて自分の感覚を信じられなくなっていく。

「これくらい我慢するべきなのかな」「私が敏感すぎるのかな」

そう思い始めたとき、傷はもう深いところまで届いている。承認欲求を向けられた側は、自分の不快感すら否定することを強いられる。それは静かな、でも確かな、自尊心へのダメージだと思う。


この世代の男性たちが通ってきた時代を思うと、わからなくもない部分もある。役職、肩書き、後輩からの敬意。そういうもので「自分の価値」を測ってきた時間が長かった。定年後や立場が変わったとき、承認の受け皿を突然失ってしまう。

でも、その空白を若い女性たちで埋めようとするのは違う。そしてそれが不快感やセクハラにまで発展するなら、もう「無自覚だから仕方ない」では済まされない。


年齢を重ねるほど、「求める」より「与える」側に回れる人が、本当にかっこいい大人だと私は思っている。

若い子たちの愛想笑いを、好意と勘違いしないでほしい。それだけで、周りの空気はずいぶん違ってくる。


では、どう切り抜けるか。5つのヒント

とはいえ、現実には「その場をどうするか」が大事です。傷つきながらも、毎日職場に行かなければならない。そんな方のために、さりげなく自分を守る方法をご紹介します。


1. 受け取ってすぐ仕事に戻る

「ありがとうございます」の一言だけ言って、すぐ画面に視線を戻す。

これだけで会話が自然に終わります。愛想よくしなければ、と思って余計な一言を足すから話が長引くのです。受け取ること自体は相手への敬意。でもその後の時間は自分のものです。


2. 忙しいアピールを習慣にする

近づいてくる気配を感じたら、キーボードを打つ手を止めない。

「今ちょうど大事なところで…」と画面を見たまま言うだけで、相手も長居しにくくなります。毎回やっていると「あの人は話しかけにくい」という印象がつき、自然と来る頻度が減っていきます。


3. 体調を理由にやんわり断る

「最近甘いものを控えていて」「胃の調子がちょっと…」

嘘も方便、という言葉があります。角を立てずに断る最もスマートな方法のひとつです。相手も傷つかず、自分も罪悪感を持ちにくい。双方にとってやさしい断り方です。


4. 愛想笑いは義務じゃない

ニュートラルな表情+短い返事、で十分です。

「笑わないと失礼」と思い込んでいませんか?実は軽くうなずいて「どうも」と言うだけで、社会的なマナーとしては十分。毎回全力で愛想笑いをしていると、それが「普通」になってしまい、やめられなくなります。少しずつ表情の力を抜いていきましょう。


5. 自分を縛らないことが一番大事

「断ってはいけない」「笑わなければいけない」――この思い込みが一番しんどさの原因です。

お菓子を受け取ることも、断ることも、どちらも正解です。大切なのは、相手のペースではなく自分のペースで選ぶこと。小さな選択を自分で決めるだけで、職場での居心地はじわじわと変わっていきます。


おわりに

お菓子を受け取ることも、断ることも、どちらも間違いではありません。

大切なのは「しなければいけない」という思い込みから、少し自由になること。

毎回全力で愛想よくしなくていい。ニュートラルでいい。自分のペースで選んでいい。

そう思えるだけで、職場での毎日が少し軽くなるはずです。


Sonnet 4.6

 

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