私が断捨離を意識するようになったきっかけは、引っ越しでした。
それまでは、自分ではそこまで物が多いとは思っていなかったんです。
「少し多いかな」——そのくらいでした。
でも、引っ越しの見積もりに来た方に言われました。
「物、多いですね」
「台所だけでも大きな段ボール10箱分あります」
思わず私は、
「そんなにないですよ」
と返していました。
でも、本当にあったんです。
荷造りを始めると、次から次へと段ボールが積み上がっていく。
台所だけじゃない。クローゼットには服がぎっしり。
「衣裳持ちですね」と言われてもおかしくないくらい、私は服もストールも持っていました。
特にストール。大好きで、見るたびに欲しくなって。
「これは特別」
「この色は似合う」
「いつか使う」
そうやって増えていったストールたち。
でも実際によく使うものは、いつも決まっていました。
何枚もあるのに、手に取るのは同じ数枚だけ。
それなのに、手放せなかったんです。
「大事だから」と取っておいた書類たち
書類も同じでした。「大事だから」そう思って取っておいた子どものお便りや書類たち。
でも、必要な時にはどこにあるかわからない。
保管しているのに、管理できていない。
家の中には、“不安だから取っておく”が溢れていました。
そして何より、私は気軽に人を呼べませんでした。
たとえ息子であっても、「今はちょっと無理」と言ってしまう。
どこかずっと、「見られたくない」と思って暮らしていた気がします。
📖 あわせて読まれています
この断捨離は、会社を辞めたことと切り離せません。その時の話はこちらに書いています。
▶ 58歳、会社辞めます。——理不尽を脱ぎ捨てて、凛と生きるために
断捨離のはじまりは、紙一枚から
最初に手をつけたのは、紙ものでした。
書類。子どもの学校のお便り。
気づけば、もう必要のない紙が山ほどありました。
1枚捨てるたびに、「なんで取っていたんだろう」と思うものばかり。
でも不思議なことに、捨て始めると少しずつ気持ちが軽くなっていったんです。
引き出しが空く。棚に隙間ができる。
それだけで、呼吸がしやすくなるような感覚でした。
そこからは、勢いがつきました。
「なくても困らないかもしれない」
そう思えるようになって、私はどんどん手放していきました。
物を減らしたというより、
“ずっと抱えていたものを下ろしていった”
そんな感覚だったのかもしれません。
50代からの断捨離——これからの暮らしを見据えて
でも、私がしたかったのは、ただの断捨離ではありませんでした。
これから先、ひとりでも暮らしを回せる家にしたかったんです。
もし体力が落ちても、自分で動かせる。
掃除も苦にならない。
誰かの手を借りなくても、暮らしを整えられる。
そんな部屋にしたかった。
だから私は、以前使っていた重い家具を手放しました。
たとえ高かったものでも、持ってこなかったんです。
「まだ使えるのに」
「もったいない」
そんな気持ちも何度も浮かびました。
でも私は、値段よりも、
“これから先の自分が扱えるか”
を優先したかった。
ひとりで動かせる重さか。自分で管理できる量か。
歳を重ねても、無理なく暮らせるか。
そこを基準に選び直しました。
部屋が軽くなると、暮らしも軽くなる
あれほど「大切」と思っていた物たちなのに、
箱に詰められていく姿は、ただの”荷物”でした。
狭い8畳のリビングも、床が見える軽い家具に変えたことで、窮屈さがなくなりました。
以前より部屋が広く見える。掃除も簡単。
気分転換したい時には、ひとりですぐに配置を変えられる。
それだけで、暮らしは驚くほどラクになりました。
断捨離後に変わったこと
✔ 探し物をする時間が減った
✔「片づけなきゃ」と自分を責める時間も減った
✔ 以前より、朝の空気まで違う気がする
✔「隠れるように暮らす感覚」が少しずつ薄れていった
✔ 息子に「来る?」と自然に言えるようになった
「いつか」より「今の自分に必要か」
以前の私は、「いつか使う」「まだ必要かもしれない」
そんな”もしも”を抱え込んで暮らしていました。
でも今は、「今の自分に必要か」そう考えられるようになりました。
金額ではなく、生活の中で、いかに心の重荷にならないか。
私にとって大切だったのは、そこだったのだと思います。
📖 あわせて読まれています
物を手放してから、固定費も気になりはじめました。同じ時期に見直したことを書いています。
▶ 退職後の生活費が足りない——月5〜10万円足りない人が最初に見直す固定費5選
私にとっての「終活」は、特別な準備じゃない
最近は、「終活」という言葉をよく聞きます。
でも私にとっての終活は、何か特別な準備ではありません。
いつか子どもが困らないように。
そして、これから先の自分自身がラクに暮らせるように。
暮らしを少しずつ軽くしていくこと。
断捨離は、物を捨てることではなく、
“これからの人生を身軽に生きるための整理”
だったのかもしれません。
部屋の中にできた余白を見ながら、
私は最近、そんなことを思っています。
📖 あわせて読まれています
息子と話すようになってから、一人暮らしのお金についても一緒に考えました。
▶ 一人暮らしの生活費は月10万円!?息子と計算して気付いた「実家の価値」


コメント