退職の日まで、残り3週間。
今の私の心境をひとことで表すなら、驚くほど「清々しい」――その一言に尽きます。
これまで、私の人生は「我慢」の連続でした。 遅くに授かった三番目の子をひとりで育てるため、職場で何を言われても「生活のため」「お金のため」と自分に言い聞かせ、必死に頭を下げてきました。我慢、我慢、がまん……。それが当たり前の日常でした。
けれど、退職を決めた今。 自分でも驚くほど、本来の「私」が顔を出し始めています。
髪を切る。それは、過去の自分との決別。
心境の変化は、まず見た目に表れました。 ずっと長かった髪をバッサリと切り、襟足を軽やかに外ハネに。しばらく放置していた白髪混じりの髪も、パッと明るい色にカラーリングしました。
鏡の中の自分が明るくなっていくにつれ、周囲の視線が変わるのを感じます。
「素敵!似合ってますね、一体どんな心境の変化ですか?」 そう笑顔で声をかけてくれる人もいれば、一方で、冷ややかな視線を送ってくる人もいます。
「大きなお世話」という名の、他人の物差し
「58歳で、夫もいなくて、年金もまだ先なのに……」 「退職してどうするの? 生活していけるの?」 「その年齢で、次の仕事なんて見つかりっこないのに」
そんな「心配という名の偽善」を入れてくる人たちの言葉は、以前の私なら突き刺さっていたかもしれません。 でも今の私には、それらがすべて「その人自身の不安」を映し出している鏡のように見えてしまうのです。かつての私も、きっとあちら側の人間でした。
けれど、もう誰かの物差しで自分の幸せを測るのは終わりにします。
私は、私を生き直す。
確かに世間一般で見れば、58歳での退職は「厳しい現実」が待っているのかもしれません。 でも、必死に子育てをし、泥をすするように我慢を重ねてきた私です。その経験があるからこそ、これからの人生は何が起きても「なんとかなる」という根拠のない自信に満ちあふれています。
誰に何を言われても、私の人生のハンドルを握っているのは私だけ。
軽やかになった髪をなびかせて、新しい一歩を踏み出す準備は整いました。 残り3週間。私は、最高に元気な姿でこの場所を卒業しようと思います。


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