大型タンスを手放した話|引っ越しで決断した処分方法と、その後の暮らしの変化

引っ越しを機に大型タンスを手放し、すっきりと広くなった和室。窓から差し込む朝の光の静かな空間 暮らしを整える
タンスが消えた部屋には、思っていたよりずっと広い空間が残っていた。

引っ越しのとき、最後まで答えが出なかったことがある。

「大型タンスを、どうするか」——。

引き出しタイプとクローゼットタイプが一体になった、あの重厚なセットタンス。今は亡き両親が、汗水たらして働いたお金で持たせてくれた嫁入り道具だった。

「捨てる」という言葉さえ、罰当たりな気がして使えなかった。

それでも、手放すことになった。引っ越し先の間口が狭く、物理的に入らなかったのだ。

手放した後の部屋は、想像以上に変わっていた。そして——気持ちも。

この記事では、大型タンスを手放すまでの葛藤と処分方法、そして手放した後の暮らしの変化をお伝えする。同じように「手放せない家具」の前で立ち止まっている方の、小さな背中押しになれば嬉しい。


大型タンスが手放せなかった、3つの理由

① 今は亡き両親からの、嫁入り道具だったから

両親は自営業を営んでいた。父も母も、朝から夜遅くまで休む間もなく働く毎日でした。

母は元看護師。でも自営業だった父と結婚してからは、仕事・子育て・家事を一手に引き受け、それでも泣き言ひとつ言わずに生きた人でした。「父と結婚したばかりに(笑)いばらの道を歩んだ」と、本人が笑いながら話していたのを今も覚えている。

父もまた、休日などほとんどない忙しさの中で、それでも私たちと遊ぼうとしてくれる人だった。

そんな二人が、私の結婚をだれよりも喜んでくれた。
今は亡き夫のことも、心から気に入ってくれた。

このタンスは、その二人が汗水たらして働いたお金の中から持たせてくれた大切な嫁入り道具。引き出しをそっと開けるたびに、母の顔が浮かび私にとって、ただの家具ではなかったのだ。

② 「一生モノの値段だったから」という罪悪感

嫁入り道具の大型タンスは、当時決して安いものではなかった。

私にとっては「二度と買えない」と感じるほどの金額。だから「捨てる」という選択肢は、長い間、頭の中に存在すらしていなかったのだ。

お金の問題というより——そこに込められた両親の気持ちを、金額で割り切るような後ろめたさ、と言ったほうが正確かもしれない。

③ 「手放したら、服の行き場がない」という不安

タンスの中は、洋服でぎゅうぎゅう詰めだった。

これだけの枚数を収納できるのは、この大型タンスしかない。もし手放したら、この子たちはどこへ?

葛藤の中で頭を占めていたのは、両親への申し訳なさだけでなく、この切実で現実的な不安でもあった。

実際の処分方法|引っ越し業者に引き取ってもらいました

正直に言うと、自分から「手放そう」と決断したわけではなかった。

引っ越し先の公営団地の廊下が狭く、間口からタンスが物理的に入らなかったのだ。一緒に引っ越すつもりで準備していたのに、搬入当日に「入らない」と判明した。(バラすこともできたのだが)そこで初めて、覚悟が決まった。

リサイクルに出せなかった理由

引っ越し業者に相談したところ、こんな話を聞かされた。

「最近はタンスを購入するお客さんが減っていて、リサイクル業者も引き取り手がなかなかいないんです」

つまり、お金を払って処分してもらうしかない状況。

費用はいくらかかった?

大型タンスの処分費用の目安は、1個あたり1万円。2個なら通常2万円だ。

ただ、事情を話したところ引っ越し業者の方が配慮してくださり、2個まとめて5,000円で引き取ってもらえた。その言葉が、搬出のその瞬間、少しだけ救いになった。

大型タンスの処分方法まとめ

処分方法 費用の目安 手間
粗大ごみ 1,000〜2,000円程度 自分で運び出す必要あり
リサイクル・買取 古いものは値がつかないことも 査定・搬出の手間がかかる
不用品回収業者 5,000〜20,000円程度 手間は少ないが費用が高め
引っ越し業者に依頼 5,000円〜/個 引っ越しと同時に完結できる

引っ越しのタイミングで処分を考えているなら、引っ越し業者への同時依頼が手間と費用のバランスとして現実的。ただし業者によって対応が異なるので、見積もりの時点で確認しておくことをおすすめする。

手放した後、暮らしはどう変わったか

部屋が、文字通り広くなった

大型セットタンスが消えた部屋は、明るく驚くほど広く感じた。

あれほど「なくてはならない」と思っていたのに、なくなってみると「こんなに空間があったんだ」という発見しかない。家具が部屋を支配していたのだと、手放して初めてわかった。

服は、押し入れに収めることにしました

手放した直後は正直、大量の服の置き場に途方に暮れた。それこそ、引っ越し後の3日間、服と一緒に寝るような状態でした。

幸い、引っ越し先の公営団地には収納が多かった。私の部屋となる和室6畳の押し入れがとても広く、まずはそこに収める方法だけを考えた。

それでも、量の多さには勝てなかった。押し入れに向き合ううちに、自然と「この服、本当に必要か」という問いが生まれ、そこで初めて洋服の断捨離を決意することになったのです。

断捨離の経緯については、また別の記事で詳しくお伝えする予定です。

気持ちが、思いがけず軽くなった

これが一番、自分でも驚いた変化だった。

罪悪感があった。両親への申し訳なさもあった。でも手放してみて気づいたことがある。

タンスはなくなっても、両親への感謝や記憶はなくならない。

物に記憶を預けなくても、大切なものは自分の中にちゃんとある。そう思えたとき、長い間胸の奥にあった重さが、すっと消えた気がした。

おわりに|物を手放しても、記憶は手放さなくていい

大型タンスを手放すことは、私にとって単なる断捨離ではなかった。

両親への感謝を胸に抱きながら、それでも前へ進む——そんな小さな決断だったと思っている。

もし今、手放せない家具や物の前で立ち止まっている方がいれば、これだけ伝えたい。

物を手放しても、記憶は手放さなくていい。

手放した先には、思っていたよりずっと軽い景色が待っていたのです。

 

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