「58歳、退職後の朝。会社に行かない私の新しい始業式」

退職後の朝時間を過ごす女性の後ろ姿|窓辺でコーヒーを飲みながら暮らしを整える

58歳で退職してから、私は「朝の過ごし方」が大きく変わった。
定年後や退職後は不安ばかり語られがちですが、
今の私は、ようやく「自分のための朝」を取り戻し始めています。


朝、けたたましい目覚ましの音で飛び起きることがなくなった。

以前の私は、毎朝「間に合うか」で一日を始めていた。
時計を見て焦り、急いで髪を整え、まだ眠たい頭のまま満員電車へ向かう。
窮屈な服に腕を通すたび、「今日も会社の自分にならなきゃ」と気を張っていた。

あの頃の朝は、生きるためというより、「こなすため」の時間だった気がする。

退職後、朝の時間がわからなくなった

退職した直後は、正直かなり戸惑った。

朝なのに、着替える理由が見つからない。
誰にも会わないのに、髪を整える意味もわからない。
一日が始まる感覚がなく、気づけば昼になっている日もあった。

社会から切り離されたような感覚。
自由になったはずなのに、心だけが取り残されていた。


窓を開けることで、少しずつ生活が戻り始めた

でも、少しずつ変わっていった。

ある朝、窓を開けた。
ひんやりした空気が頬に触れ、静かだった部屋がゆっくり呼吸を始める。
遠くで鳥の声が聞こえる。

お湯が沸くシュンシュンという音。
お気に入りのマグカップにコーヒーを淹れる。
湯気と一緒に広がる、香ばしい匂い。

風に揺れる洗濯物をぼんやり眺めながら、「ああ、朝ってこんなに静かだったんだ」と思った。

会社に行かない今、自分のために身支度をする

私は今、自分のために髪を整える。
オレンジ色の毛先をくるんと整え、肌に馴染む柔らかな服を選ぶ。

誰かに見せるためじゃない。
崩れそうになる自分を、ちゃんと自分で支えるためだ。

昔の私は、毎日を「こなすこと」で精一杯だった。
でも今は違う。

窓を開ける音。
コーヒーの香り。
お気に入りの服に袖を通す時間。

その全部が、私にとっての新しい始業式になった。

退職後は「終わり」ではなく、新しい始業式だった

退職後という言葉には、どこか「終わり」の響きがある。
けれど実際は、そうじゃなかった。

誰かの会社で働く毎日が終わっただけだ。
これからは、自分で自分の人生を整えていく。

私は今、ようやく自分の人生を、自分の手に戻し始めている。

今日も窓を開ける。
少し冷たい風が部屋に入ってくる。
コーヒーの湯気を眺めながら、
私は今日も、自分の人生を始める。




あなたの「新しい始業式」はどんな形ですか?
もしよろしければ、コメントやメッセージで教えていただけたら嬉しいです。

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